就職活動において、生成AIの利用は普通の時代になっています。
2026年卒業、2027年・2028年卒業予定の、就職活動をした、またはしている学生(419人)を対象に行った調査では、就職活動で生成AIを使う学生は76.2%でした。「よく使う」と答えた人だけで34.4%です。
中途でも同じ動きがあります。全国5,000人を対象にした調査では、転職活動者の26%が生成AIで企業情報を収集しており、これは口コミサイトを使う人の2倍を超えます。
この記事では、就職活動において生成AIはどのくらい影響力があるのか、実際に採用サイトがいまAIにどう要約されているのかをお見せします。
出典:株式会社Itera「転職活動者の26%が生成AIで企業情報を収集」
就職活動のどの段階で生成AIを使うのか

出典:ナイルのSEO相談室調べ(2026年3月25〜30日・就職活動をした、またはしている学生419名。利用場面の設問は生成AI利用者319名が対象、複数回答)
最も多いのは選考対策(48.0%)です。ただ、企業研究が37.9%、業界研究が33.2%、志望企業の比較が27.0%、口コミ・評判の確認が20.4%、インターン先探しが19.1%と続いており、エントリーシートや面接の準備だけでなく、どの会社を受けるかを決める段階でも生成AIが使われていることがわかります。
生成AIで調べる企業情報とは
AIで調べた企業情報 | 割合 |
|---|---|
事業内容 | 36.7% |
強み・特徴 | 33.5% |
競合他社との違い | 29.8% |
社風・働く雰囲気 | 28.8% |
年収・給与水準 | 26.6% |
福利厚生・待遇 | 25.4% |
ワークライフバランス | 17.6% |
将来性・成長性 | 16.9% |
口コミ・評判の要約 | 16.6% |
選考情報 | 14.1% |
女性の働きやすさ | 7.8% |
出典:ナイルのSEO相談室調べ(生成AI利用者319名・複数回答)
上位に来るのは、事業内容、強み・特徴、競合他社との違いです。口コミサイトなど第三者メディアではなく、どれも採用サイトに書いてあるはずのことを聞いていることがわかります。
一方で、口コミサイトで調べるような定性的な情報である「社風・働く雰囲気」も3割近くに上っており、定量的な情報以外にも採用サイトに書くことが大切になることがわかります。
就職活動で生成AIを使う理由

利用する理由は「作業時間の短縮」(54.3%)が最多ですが、「自分だけの考えで決めるのは不安だから」が28.8%で続きます。
生成AIの回答が就職活動の意思決定に一定の影響を与えていることがうかがえます。
出典:マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査4月<就活生のAI利用について>(生成AI利用者1,076名・複数回答)
生成AIの回答の影響力は?

「そのAIが示した企業の要約が第一印象にどれだけ影響するか」を聞くと、「参考程度」が65.6%、「大きな影響がある」が19.4%でした。決定打ではないものの、最初の印象はAIの要約に大きく左右されることがわかります。
別の調査でも、2027年卒の学生1,258名のうち、回答の扱い方は「判断材料の一つとして考慮」が68.7%で、「ほぼそのまま自分の判断として利用する」は2.9%、「判断を大きく左右する」は7.4%にとどまります。
出典:マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査4月<就活生のAI利用について>(2026年4月25〜30日)
とはいえ、AIの普及によって就職活動に変化が生じたかを尋ねたところ、「進路や応募先を決める際、AIの意見や提案を参考にするようになった」と答える人は2割近くに上り、十分な影響力があると言えます。

公式サイト・採用ページも約9割の人が確認する

生成AIで企業を調べたあと、公式サイトや採用ページで事実確認をする学生は88.4%です(必ず確認する32.3%・だいたい確認する56.1%)。
出典:ナイルのSEO相談室調べ
中途でも、応募を検討するときに公式サイト・採用ページを確認する人は78.8%です(新卒は76.3%/株式会社GIG調べ)。
採用サイトの役割は、集客の入口ではなくAIの回答を確かめる場所になってきていると言えます。
サイレント辞退

AIの回答をもとに「応募しない」と判断した人は、新卒で22.7%、中途で52.8%です。
そして、中途の94.4%が「AIの情報と実際に相違があった」と答えています。
出典:株式会社GIG「AI時代の採用コミュニケーション実態調査2026」(2026年7〜8月・新卒118名/中途118名)
古い給与、無くなった制度、旧社名。AIの回答に混ざったそうした情報で候補者が降りても、企業側に通知は来ません。では実際に、採用情報や企業情報はどのように要約され、どこから引用され、どのように誤情報を含むのかを調査しました。
採用サイトは生成AIにどう要約されているか
調査概要
- 調査日:2026年10月15日(当社調べ)
- 対象エンジン:ChatGPT・Perplexity・Gemini・Claude・Google通常検索
- 対象企業:国内のIT企業3社(A社は東証プライム上場で、連結従業員数は約1,300名。B社は東証プライム上場で、連結従業員数は3,000名超。C社は東証グロース上場で、従業員数は約620名。)
「〇〇社の残業時間と働きやすさを教えて」
「〇〇社の残業時間と働きやすさを教えて」と聞いたとき、公式サイトが引用されたか。
A社 | B社 | C社 | |
|---|---|---|---|
ChatGPT | 公式が主軸 | 公式が主軸 | 制度のみ公式/数字は口コミ |
Perplexity | 10件中2件(うち1件は海外法人) | 公式が主要な根拠 | 0件 |
Gemini | 引用元の表示なし | 0件 | 0件 |
Claude | 10件中0件 | 0件 | 5件中0件 |
Google通常検索 | 10件中0件 | 10件中1件 | 10件中0件 |
社名で聞かれたとき、引用されているのは主に口コミサイトと転職メディアでした。A社では、1件だけ引用された公式ページが海外法人のサイトという例もありました。
C社では、従業員約620名の会社の残業時間が、回答者31人の口コミ集計をもとに語られていました。
社名を含む指名質問では公式サイトがあまり読まれていないことがわかりました。
「残業が少なくてリモートワークができるIT企業に転職したい。おすすめの会社を教えて」
「残業が少なくてリモートワークができるIT企業に転職したい。おすすめの会社を教えて」と、社名を出さずに聞いた場合。
根拠として引用されたもの | |
|---|---|
Perplexity | ほぼすべてが各社の公式採用サイト(40件) |
ChatGPT | 公式採用サイト(「公式の採用情報を確認し」と明記) |
Claude | 0件(ニュース・求人媒体・解説記事) |
Gemini | 0件(求人媒体のみ) |
Google通常検索 | 0件(求人媒体のみ) |
勤務希望条件の質問では採用サイトが読まれることがわかりました。
GEO対策も含めて採用サイトを整えると、「すでに自社を知っている人」ではなく、まだ自社を知らない人に見つけてもらえるようになり、条件の合う候補者に届きやすくなります。
実際、生成AIがきっかけで企業を知った経験がある学生は70.8%です。まだ自社を知らない候補者との接点が、生成AIの回答の中にできていることがわかります。
出典:ナイルのSEO相談室調べ
「A社とB社、どちらが働きやすいですか」
「A社とB社、どちらが働きやすいですか」と聞いた場合。
A社の数字の出どころ | B社の数字の出どころ | |
|---|---|---|
ChatGPT | 公式 | 公式 |
Perplexity | 第三者の転職メディア | 公式 |
Gemini | 第三者のみ | 公式1件+第三者 |
Claude | 第三者のみ | 第三者のみ |
ChatGPTを除く3つの生成AIでは、片方の会社の数字だけが第三者メディア経由になりました。
また、公式に書かれていない項目は空欄になるのではなく、「公表資料からは明確な方針は確認しづらい」といった文章で埋められていました。
「残業時間」で誤情報が答えられていた
B社は、公式の採用サイトに「平均残業時間18.5時間」と明記していますが、正しい公式情報を答えられた生成AIは2つだけでした。
答えた数字 | どこから取ったか | |
|---|---|---|
ChatGPT | 18.5時間 | 公式 |
Perplexity | 18.5時間 | 公式 |
Claude | 20時間/17時間/30時間 | 求人媒体・口コミ |
Gemini | 19.8〜21時間 | 第三者メディア |
Google通常検索 | 0時間 | 公式(ただし後述) |
Claudeの回答には、「公式に数字を開示しているのはA社だけで、B社の数字は求人票や口コミをもとにしています」と書いており、誤情報が含まれていました。
なぜ採用サイトの情報が拾われなかったのか
B社の採用ページを調べたところ、「平均残業時間 18.5時間」という数字が、0から数え上がるアニメーションで表示されていることに原因があることがわかりました。

HTMLのソースには、最初から「18.5」とテキストで書かれていますが、後からJavaScriptが書き換えると、書き換えたあとの状態が読まれます。
AIのクローラーは、ページを開いて文字を読み取るだけで画面をスクロールしないため、数字が0のままの状態を読み取ります。
生成AIには、HTMLのソースを読むものと、画面に描画された状態を読むものがあります。さらに、このページ自体を参照しないAIもあり、回答は3通りに分かれました。
- HTMLのソースを読んだChatGPTとPerplexityは、18.5時間と答えた
- 画面を読んだGoogleは、検索結果に「平均残業時間 0時間」と表示した
- ClaudeとGeminiは、このページ自体を参照せず、求人媒体や口コミの数字を使った
採用サイトで同じことが起きやすい箇所は、ほかにもあります。
- 求人票が画像やPDFになっている
- 求人一覧がJavaScriptで描画され、本文に文字が無い
- 求人が採用管理システムの別ドメインにあり、本体サイトと結びついていない
- JobPosting の構造化データが無い、または画面の表示と一致していない
- 数字がカウントアップなどの演出で、描画後に書き換わる
採用におけるGEO対策
就職・転職の活動で生成AIに聞かれる場面は、転職を考え始めるところから入社後のトラブルまでの7場面が考えられます。
段階 | 候補者がAIに聞くこと |
|---|---|
課題整理 | 転職すべきか |
候補探索 | どんな会社があるか |
詳細調査 | A社の評判はどうか |
比較 | B社と比べてどうか |
決定・行動 | 応募するかどうか |
定着 | 研修はどうなっているか |
トラブル・危機 | 辞めた人は何と言っているか |
これら7つの場面すべてにおいて、自社が生成AIにどのように言及・引用されているかを観測し、そのデータをもとに採用ページを改善することで、就職・転職を考えている候補者に正確な情報を届け、自社を正しく理解してもらえるようになると考えています。
QueryLiftは、生成AIの回答のなかで企業がどう語られているかを測り、改善まで一気通貫して行えるツールを提供しています。
当社のツールでは、次のことができます。
観測
- ChatGPT・Perplexity・Gemini・Claude・Google を横断して、同じ問いを毎日投げ続けられる
- 7つの場面それぞれで、自社が言及・引用されているか、何番目に言及されたかを記録できる
- どう語られているかまで見られる(評価の良し悪し、誤情報の混入)
- 第三者メディアが、どの検索クエリで引用されたのかを特定できる
改善
- 観測で足りないと分かった情報を、その検索クエリ向けのページとして自動生成できる
- 既存ページの文章を、AIに読まれる形に直す修正案を自動で作れる
おわりに
今回の調査と実測からは、就職・転職を考える人の多くが生成AIを企業研究に活用しており、企業を知るきっかけや第一印象の形成にも影響を受けていることが分かりました。
候補者との最初の接点が生成AIになる可能性が高い時代だからこそ、採用サイトやコーポレートサイトで正確で整理された情報を発信し、生成AIに自社の情報を正しく認識してもらうことが、これまで以上に求められます。
QueryLiftでは、生成AIの回答の中で企業がどう語られているかを、日々測定しています。実際の回答の傾向から、ウェブサイトがどの段階に課題を抱えているのかを特定し対策に繋げます。
ぜひ一度、2週間の無料トライアルを活用し、あなたのWebサイトのAI上での現れ方を確認してみてください。