GEO(生成エンジン最適化)、LLMO、AIOという言葉を目にする機会が増えました。私たちがGEOのご相談を受けるときも、「SEOと何が違うのか」「SEOをやっていれば十分ではないか」という質問をよくいただきます。この記事では、「GEOとは何をすることなのか」という疑問について、QueryLiftとしての答えを示します。GEOとは、AIに実際に質問して、自社のページが見つかる・読める・引用されるの三つの段階のどこで止まっているかを測り、止まっている段階を直すことです。三つの段階それぞれの具体例と対策は、この記事に続く3本の記事で扱います。
AIが回答を作るまでの流れとGEOが対策する三つの段階

ChatGPTやGoogle AI Overviewのような生成AI検索の特徴は、人の質問にその場で書いた文章で答えることです。Webを検索して答えるとき、AIは答えに必要な情報を探す検索語をいくつも組み立て、集めたページを読み、答えに使える文を選んで引用しながら回答を書きます。Googleも2026年5月に公開した公式ガイドで、自社のAI機能が一つの質問から関連する検索語を複数作って同時に検索し、検索で集めたページをもとに回答を作ると説明しています。
自社のページがこの回答に載るには、三つの段階を順に通ることが必要です。
- 見つかる:AIが組み立てた検索語で検索したときに、自社のページが回答の材料として集められること
- 読める:集められたページから、AIが伝えたい言葉を文字として取り出せること
- 引用される:質問に直接答える文がページにあり、AIがその文を選んで回答に使うこと
QueryLiftは、この流れに沿ってGEOを次のように考えています。GEOとは、AIに実際に質問して、自社のページが見つかる・読める・引用されるの三つの段階のどこで止まっているかを測り、止まっている段階を直すことです。
SEOは、人が検索したときに自社のページが検索結果の上位に出るように整える取り組みです。Googleは同じ公式ガイドで、Google検索の視点では、生成AI検索への最適化もSEOであると述べました。ページが検索エンジンに読み込まれ、技術的に正しく作られていることがAIの検索でも前提になる点は、私たちもGoogleと同じ考えです。そのうえで、SEOでは確かめられない部分があります。SEOで分かるのは人の検索結果での順位で、AIがどんな検索語を組み立て、どのページを読み、どの文を引用したかは、検索順位を見ても分かりません。GEOが扱うのは、この部分です。
見つかる:AIが質問から組み立て直した検索語で回答の材料として集められる自社のページ

人は検索するとき、ブランド名や「柑橘 炭酸水」のような短い語を打ちます。SEOは、こうした語で上位に出ることを目指してきました。一方、「週末のBBQに持っていく、お酒を飲まない人も楽しめる炭酸飲料は?」と聞かれたAIは、質問の条件を読み取って検索語を組み立て直します。当社が二つの業務分野(給与計算と新リース会計基準)で、2026年7〜8月にChatGPTが使った検索語を集めて調べたところ、条件の語を積み重ねて年を付ける、候補の銘柄を並べて比べる、銘柄名に「公式」を付けて裏を取る、英語で調べ直す、といった形が多く見られました。下の図の例は、この形を飲料にあてはめた架空のものです。
こうした語の組み合わせは、人の検索語を調べるキーワード調査には出てきません。そのため、人の検索で上位のページでも、AIが組み立てた検索語では回答の材料として集められないことがあります。集められなかったページは、中身がどれだけ充実していてもAIに読まれません。具体例と対策は、見つかる編で扱います。
読める:人にだけ見える言葉とAIが文字として取り出せる言葉の違い

人はページを画面として見ますが、AIはページから文字を取り出して読みます。下の図は、ある飲料ブランドのサイトについて、人が見る画面と、AIが取り出す文字を並べたものです。ナビゲーションや商品の説明のようにHTMLの文字で書かれた部分は、AIにもそのまま届きます。一方、ページから文字を取り出して読む仕組みでは、写真に焼き込んだキャッチコピーや、動画の中で語られる内容は文字として取り出されません。JavaScriptで後から表示する部分も、AIがページを読み込む方法によっては抜け落ちます。
私たちがこれまで見てきたサイトでは、ブランドが一番伝えたい言葉ほど画像や演出の中に置かれ、AIに届きにくくなっていました。PDFの資料にも同じ問題があります。具体例と対策は、PDFの話も含めて読める編で扱います。
引用される:質問に直接答える文の有無で決まる引用元と語られ方

見つかり、読める状態になっても、それだけで引用されるとは限りません。下の図は、先ほどのBBQの質問に対して、自社の商品ページとまとめ記事を並べたものです。商品ページには味や産地が書いてありますが、BBQに向くか、お酒を飲まない人に合うかに直接答える文がありません。まとめ記事は場面をそのまま見出しにして、順位を付けて結論から答えています。AIは質問に合う文を探して回答を書くので、この例で引用元になりやすいのは、質問に答えているまとめ記事のほうです。
その結果、AIの回答の中で自社の商品が何番目に、どう語られるかを、まとめ記事の書き手が決めることになります。自社サイトに情報があっても、質問に直接答える文として書かれていなければ、引用元にはなれません。答える文をページの前のほうに書き足す方法は、引用される編で扱います。
三つの段階のどこで止まっているかをAIに聞いて測る作業
三つの段階は順につながっています。集められなかったページは読まれず、取り出されなかった言葉は引用されません。前の段階で止まっていると、後ろの段階を対策しても回答には載りません。そのため、自社がどの段階で止まっているかを先に測る必要があります。
ところが、止まっている場所はSEOの調査では見えず、AIに実際に質問して、回答と引用元を調べる必要があります。三つの段階ごとに、SEOの調査で分かることと、AIに聞いて測ることを並べたのが、次の表です。
段階 | SEOの調査で分かること | AIに聞いて測ること | 続く記事 |
|---|---|---|---|
見つかる | 人の検索語での検索順位 | AIが組み立てた検索語と、材料として集められた自社のページ | 見つかる編 |
読める | ページが検索の対象に登録されているか | AIが取り出した文字に、伝えたい言葉が入っているか | 読める編 |
引用される | 対象外 | 回答に引用された文と、自社の語られ方 | 引用される編 |
ChatGPTに一度聞くだけでは、止まっている段階は分かりません。回答は聞くたびに変わり、引用元もAIの種類によって違うので、重要な質問を複数のAIに繰り返し聞いて測ります。
ここで、GEOとは何をすることなのかにもう一度答えます。GEOとは、AIに実際に質問して、自社のページが見つかる・読める・引用されるの三つの段階のどこで止まっているかを測り、止まっている段階を直すことです。止まっている段階が分かれば、対策も絞れます。見つからないならAIが組み立てる検索語に当たるページを用意し、読めないなら伝えたい言葉をページの文字として書き、引用されないなら質問に直接答える文をページの前のほうに書き足します。
おわりに
QueryLiftでは、生成AIの回答の中で企業がどう語られているかを、日々測定しています。実際の回答の傾向から、ウェブサイトがどの段階に課題を抱えているのかを特定し対策に繋げます。
ぜひ一度、2週間の無料トライアルを活用し、あなたのWebサイトのAI上での現れ方を確認してみてください。
参考文献
- Google Search Central「Optimizing your website for generative AI features on Google Search」(2026年5月15日公開)